ブロック(Jean-Richard Bloch)(読み)ぶろっく(英語表記)Jean-Richard Bloch

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブロック(Jean-Richard Bloch)
ぶろっく
Jean-Richard Bloch
(1884―1947)

フランスの小説家、批評家。パリに生まれる。早くから社会と民衆関心をもち、ロマン・ロラン、ジュール・ロマンらの同行者となり、戦うユマニストとして活躍した。ユダヤ人一家の歴史を社会のなかに描く小説『……会社』Et Cie(1918)ほか多彩な文筆活動ののち、1920年共産党に入党、党の知性として深く民衆とその芸術に根ざそうとする立場から論陣を張り、『現代の運命』(1931)、『一文化の誕生』(1937)をまとめた。劇作に『ツーロン港』(1943)などがあるほか、評論演劇の運命』Destin du théâtre(1930)には反ファシズム民衆芸術としての演劇の探求が語られる。第二次世界大戦中はモスクワに逃れ、フランス向け放送を行った。

小林 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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