ブール(Pierre Marcelin Boule、人類学者)(読み)ぶーる(英語表記)Pierre Marcelin Boule

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブール(Pierre Marcelin Boule、人類学者)
ぶーる
Pierre Marcelin Boule
(1861―1942)

フランスの地質学者、古生物学者、人類学者。とくにヨーロッパのネアンデルタール人の研究で有名。トゥールーズおよびパリで地質学と古生物学を学び、のち古人類化石の研究を行った。1892年にフランス国立自然史博物館の助手となり、1902~1936年にわたって教授を務めた。ヨーロッパ、パレスチナイスラエル)、北アフリカの古人類を研究したが、1908年にラ・シャペル・オ・サン(フランス発見のネアンデルタール人)の骨格復原、研究。その結果、ネアンデルタール人は、現代人に比べてきわめて原始的であることを強調したが、この見解はのちに否定され、逆に両者の近縁性が証明された。しかし、その著書化石人類』は現在も重要な文献とされている。晩年にはフランス地質学会長となり、古人類研究所を設立し、学界に大きく貢献した。

埴原和郎

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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