プライス(Richard Price)(読み)ぷらいす(英語表記)Richard Price

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

プライス(Richard Price)
ぷらいす
Richard Price
(1723―1791)

イギリス牧師、思想家。神の意志を認識し、その徳を実践することにより世界の調和が可能となるとして、ヒュームを批判した処女作『道徳の主要問題』A review of the principal questions in morals(1757)で、シェルバーン伯爵の知遇を得る。以後、政治的には同伯爵の路線にたち、穏健な議会改革、重商主義的貿易統制批判、小農保護を主張し、外交的にもアメリカ独立とフランス革命とを擁護した。プリーストリーとは長く親友であったし、女性の地位向上を訴えたウルストンクラフトM. Wollstonecraft(1759―1797)に、影響を与えている。人口論や年金論の基礎的推計資料を作成して、一時各方面で採用された。フランス革命論はE・バークの批判を誘発したが、反批判はしなかった。

[永井義雄]

『プライス著、永井義雄訳『市民的自由』(1963・未来社)』『プライス著、永井義雄訳『祖国愛について』(1966・未来社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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