ヘクトコチルス(読み)へくとこちるす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘクトコチルス」の意味・わかりやすい解説

ヘクトコチルス
へくとこちるす

交接腕

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヘクトコチルスの言及

【交接腕】より

…八腕形類では右第3腕の場合が多く,十腕形類では右または左(または両側)の第4腕の場合が多い。アミダコやカイダコなどでは交接後この腕が切れ,雌の外套腔内に残っていて虫のように動くので,これをG.L.キュビエは寄生虫と思いヘクトコチルス(百疣虫(ひやくいぼちゆう))と名づけたところから現在も交接腕はそう呼ばれている。これらの類では交接腕は矮小な雄の全体の大きさに比し特大で,未熟のうちは皮囊に包まれているが,交接時に皮囊が破れ,一部があたかも推進用の尾をもった精莢運搬器官のように切離する。…

【タコ(蛸∥章魚)】より

…アミダコ科やフネダコ科では雄は雌の1/20くらいの大きさしかない矮小雄(わいしようゆう)であるが,交接腕は長大で,先端がむち状になっており,精莢を渡すための交接に際しては交接腕は切れて雌の体内に残る。アミダコのこれを発見した近世の博物学者キュビエが,これをタコの外套腔内に宿る寄生虫と誤り,Hectocotylus octopodisと命名(1829)したところから,頭足類の交接腕を現代でもヘクトコチルスhectocotylusと呼ぶ。卵は通常柄についた卵囊に入れて産み出される。…

※「ヘクトコチルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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