日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ヘス(Walter Rudolf Hess)
へす
Walter Rudolf Hess
(1881―1973)
スイスの生理学者。フラウエンフェルトに生まれる。ローザンヌ、ベルン、ベルリン、キールの大学に学び、1906年チューリヒ大学で学位を得た。その後ラッペルスビルで開業し、しばらくの間、外科・眼科の診療に従事したが、1912年から生理学の研究に転じ、チューリヒ大学、ボン大学を経て、1917年チューリヒ大学生理学研究所所長についた。その後イギリスの各大学生理学研究所に留学し、ラングレーJohn Newport Langley(1852―1925)、シェリントン、スターリング、ホプキンズ、デールらに師事した。初め血液力学・呼吸調節に関する研究を行い、ついで自律神経系の調節機能に関する研究に移った。1925年に間脳の研究を始め、微細な電極針の挿入によって非常に限られた部分に刺激を与える技術を開発した。1949年、「内臓諸器官の調節者としての間脳の機能的体制の発見」に対し、ノーベル医学生理学賞が与えられた。
[大鳥蘭三郎]
[参照項目] |
| | | |