日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 ヘリック(Robert Herrick(1868―1938))へりっくRobert Herrick(1868―1938) アメリカの小説家。ハーバード大学卒業後、約30年間シカゴ大学で英文学を講じる。新興産業都市シカゴの物質的繁栄と道徳的退廃、とくに商業主義に毒されていく市民たちを写実的に描く『共通の運命』(1904)がよく知られている。だがこの東部出身の頭脳は、現実描写のみに満足せず、個人の自由と道徳性を重視する理想主義を掲げる。瞑想(めいそう)と労働によって自己救済を図る『宿屋の主人』(1908)はその作品例である。[岩瀬悉有] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例