日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 ヘル(Hel 北欧神話の冥府の女王)へるHel 北欧神話の冥府(めいふ)の女王。またその支配する死者の国もヘルとよばれる。ロキとアングルボザの娘で、主神オーディンによって冥界に投げ込まれた。ヘルは、なかば青色でなかば人肌色をした険しく恐ろしい顔つきをしている。一方、死者の国ヘルは、地下の暗い霧に覆われた寒冷の地にあり、そばをギョル川が流れ、大きな門と高い塀とを備えた館(やかた)とされ、病気や老齢で死んだ者を迎える所である。ヘルはゲルマン語で「隠す」を意味する。[谷口幸男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例