ヘルツバーグ(ヘルツベルグ)(読み)ヘルツバーグヘルツベルグ

化学辞典 第2版 の解説

ヘルツバーグ(ヘルツベルグ)
ヘルツバーグヘルツベルグ
Herzberg, Gerhard

ドイツ生まれのカナダの分子分光学者.1928年ダルムシュタット工科大学で学位を取得後,ゲッチンゲン大学およびイギリスのブリストル大学で研究し,1930年母校の私講師となるが,妻がユダヤ系であったことから,1935年カナダに移り,サスカチュワン大学の教授となった.1945~1948年シカゴ大学Yerkes天文台教授の後,カナダに戻りNational Research Councilの物理部門主任研究員となり,1955年に同部門が純粋物理と応用物理に分かれたときに純粋物理部門の長となった.1969年に部門が再統合されてからは“功労研究者”(Distinguished Research Scientist)として遇され,1994年の引退まで勤め,その後も名誉研究員の地位にあった.分子分光学の分野において多岐にわたる業績をあげ,多くの二原子分子および多原子分子の構造,とくにCH,CH2,CH3などをはじめとする遊離基の構造を分光学的に決定し,これらの結果は全3巻の“Molecular Spectra and Molecular Structure”(1939~1966年)にまとめられた.以上のような研究で,1971年ノーベル化学賞を受賞.さらに分光学的手法を惑星大気や彗星,星間分子同定に応用した.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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