出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ドイツの物理学者。ハンブルクの生れ。幼いころから技術的才能に恵まれ語学にも非凡な能力を示した。1875年フランクフルトへ出て建設局へ勤め,そのかたわら技術者の資格試験の準備をすすめた。鉄道連隊で兵役を務めた後,77年にミュンヘン大学に入り,最初の学期に学んだ数学で目覚ましい力を発揮し,その後も実験的才能と数学的才能の両面をもった物理学者として成長した。78年ベルリン大学へ移りH.vonヘルムホルツに師事し,ベルリン哲学協会が出した電気慣性に関する懸賞問題に取り組み首席の賞牌を受けた。80年にヘルムホルツの有給助手となり,雑務のかたわら,電磁誘導,電気慣性,陰極線,弾性体の理論,液体の蒸発に関する15の論文を発表した。83年,G.R.キルヒホフの推薦によりキール大学の理論物理学の私講師となり,そこでマクスウェルの基本方程式とウェーバー,ノイマンの電気力学との関連を研究した。85年カールスルーエ工業大学の物理学教授に就任し,誘導コイルを含む豊富な実験装置を背景に,1879年に提出されたベルリン科学アカデミーの懸賞問題,〈マクスウェル理論に含まれる重要な仮定の実験的裁定〉,すなわち,電磁的な力と誘電分極との関連を実験的に確立する問題に取り組んだ。そして88年電気振動から電磁波が生ずることを確かめ,さらにその反射や偏りなどからマクスウェル理論の予言する電磁波の存在を実証,この実験はヘルツの実験として有名である(図)。89年ボン大学物理学教授に就任後はO.ヘビサイドと並行してマクスウェル理論を整理し,現代的体系を築いた。このほか運動体の電気力学,力学の新しい定式化に関する業績がある。
執筆者:田中 国昭
ドイツの物理学者。H.R.ヘルツのおい。ハンブルクの生れ。ゲッティンゲン大学,ミュンヘン大学,ベルリン大学で学び,1913年ベルリン大学の物理学の研究助手となる。第1次世界大戦中は戦闘に動員され負傷したが,17年ベルリン大学の私講師,20年から25年オランダのフィリップス白熱電球会社の物理研究所技師,25年ハレ大学の教授となった。28年にはシャルロッテンブルク工科大学教授となってベルリンに戻ったが,35年ナチスの台頭に抗して職を辞し,ジーメンス会社の研究所長となった。54年からライプチヒのカール・マルクス大学教授。1913年以降,J.フランクと共同して,電子と原子や分子との衝突を研究し,14年電子が4.9eV以上の運動エネルギーをもつときにのみ水銀原子にそのエネルギーを与えることができ,一方,そのエネルギーを吸収した水銀原子は2537Åの共鳴線を放出することを見いだした(フランク=ヘルツの実験と呼ばれる)。この研究は,ボーアの量子論的な原子構造理論に実験的基礎を与えるものとなり,25年にフランクとともにノーベル物理学賞を受賞した。
執筆者:日野川 静枝
周波数の単位で,記号はHz。1Hz=1/sで定義される。1秒間に振動がn周期繰り返されたときがnHzである。電磁波や音波などで使われる。国際単位系(SI)の中の組立単位の一つである。秒の定義を実現するのに用いられるセシウム時間標準器のだす周波数は9 192 631 770Hzと高い精度で値がわかっており,これが周波数の標準となる。以前はサイクル毎秒(c/s)あるいは単にサイクル(c)が用いられていた。名はドイツの物理学者H.R.ヘルツにちなむ。
執筆者:大井 みさほ
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
1857~94
ドイツの物理学者。実験を行って電磁波を発見し,それが光波と同一性質を持つことを確かめ,マクスウェルの電磁理論を確認した(1887年)。これはのちに無線電信,電話に発達する出発点である。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」パソコンで困ったときに開く本について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
…この波動説はフレネルらによって整備され,複屈折や偏光なども光を横波とすることによって説明できることがわかった。その後,マクスウェルは,みずからの電磁理論から,光が電磁波であることを予言し,H.R.ヘルツがそれを実験的に証明した。光【田中 一郎】。…
…
【特殊相対性理論special theory of relativity】
1864年に定成されたマクスウェルの電磁理論からは,真空中をc≒3×108m/sで伝わる波動の存在が予言され,電磁波と名付けられた。この伝搬速度は,すでに測定されていた光の速度とよく一致し,ここに,光の本性は電磁波であるという考えが生まれたのである(光の電磁波説の確固たる基礎は1888年H.R.ヘルツによって与えられ,その実験はヘルツの実験と呼ばれている)。しかし,上記の3×108m/sという速度は,何に対する速度であろうか。…
…これに対して電波といったときは,周波数300万MHz程度のものまでをいう。 電波の利用に関して,電波の公平かつ能率的な利用を確保するために電波法が制定されているが,電波法では,第2条において〈電波とは300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう〉と電波を定義している。しかし,これは電波の定義というよりも,電波法の適用範囲を示したもので,電波そのものは,さらに高い周波数も含んだ一般的な概念と考えられる。…
※「ヘルツ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新