ヘルマンド[川](読み)ヘルマンド

百科事典マイペディア 「ヘルマンド[川]」の意味・わかりやすい解説

ヘルマンド[川]【ヘルマンド】

アフガニスタン最長の川で,全長1400km。カブールの西に水源があり,レギスタン乾燥盆地を貫流して,イラン,アフガニスタン国境のヘルマンド湖(シスタン湖とも)に流入している。アフガニスタン政府は1939年以来,ヘルマンド開発計画を実施し,灌漑(かんがい)耕地拡張に努めてきた。さらに〈ヘルマンド河谷開発公社〉を設立し,1946年―1959年にダム・水力発電所建設,入植者募集などを行ったが,大失敗に終わった。事前調査の不足のほか,農耕に不慣れなパシュトゥーン人が入植者の大半を占めていたことなどによる。

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世界大百科事典(旧版)内のヘルマンド[川]の言及

【アフガニスタン】より

…集落の高度は標高約400mから2600mに及ぶ。主要河川としては,中央山地に源を発し,東流してパキスタンに入ってインダス川に注ぐカーブル川,同じく中央山地に発して南西に流れ,イランとの国境付近の湖に注ぐヘルマンドHelmand川,西流してヘラートの地名の起源となったハリー・ルードHarī Rūd川,およびパミールから流れ出て,その上流部がタジキスタン,ウズベキスタンとの国境をなすアム・ダリヤなどがある。ヒンドゥークシュ山脈を南北に越えるおもな峠としては,カーブル寄りには,アレクサンドロス大王や玄奘が通ったハーワークKhāwak峠(3600m),1932年に自動車道として開かれたシバルShibar峠(3260m),および64年にサーラングSālang峠(4075m)の下に開通したトンネル(3363m,長さ2.7km)がある。…

※「ヘルマンド[川]」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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