ヘンダーソン(英語表記)Henderson, Richard

デジタル大辞泉 「ヘンダーソン」の意味・読み・例文・類語

ヘンダーソン(Henderson)

米国ネバダ州南部の都市。ラスベガスの南東に隣接し、同一都市圏を構成。20世紀半ばにマグネシウムの採掘で栄えた。現在はカジノホテルなどの観光業が盛ん。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘンダーソン」の意味・わかりやすい解説

ヘンダーソン
Henderson, Richard

[生]1945.7.19. エディンバラ
イギリスの生物物理学者,分子生物学者。1966年エディンバラ大学で物理学の学士号を取得,その後ケンブリッジ大学の MRC分子生物学研究所で学び,1969年博士号を取得。アメリカ合衆国エール大学で博士研究員を務めたのち,1973年以降 MRC分子生物学研究所に勤務,1996~2006年同所長。電子顕微鏡では困難といわれた蛋白質など生体分子構造解析に挑み,1975年透過型電子顕微鏡にセットした膜蛋白質バクテリオロドプシンの表面をグルコース溶液で覆って乾燥や電子ビーム照射による損傷を防ぎつつ,さまざまな角度から撮影するなどして,世界で初めて蛋白質の 3次元構造を明らかにした。1990年には蛋白質を超低温で凍結するクライオ電子顕微鏡法の技術を適用し,バクテリオロドプシンの原子レベルでの詳細な構造解析に成功した。生体分子の高分解能解析は,構造生物学の発展や新薬の開発に多大な貢献をし,ヘンダーソンは 2017年「溶液中の生体分子の構造決定を高解像度でできるクライオ電子顕微鏡の開発」により,スイスの生物物理学者ジャック・デュボシェ,アメリカ合衆国の生化学者ヨアヒム・フランクとともにノーベル化学賞(→ノーベル賞)を受賞。ほかにも 1991年ローゼンスティール賞,2016年ロイヤル・ソサエティのコプリー・メダルなど受賞・受章多数。1983年ロイヤル・ソサエティ会員,1998年全米科学アカデミー海外準会員,イギリス医学アカデミー会員。

ヘンダーソン
Henderson, Rickey

[生]1958.12.25. イリノイ,シカゴ
アメリカ合衆国のプロ野球選手。フルネーム Rickey Henley Henderson。1979年オークランド・アスレティックス大リーグデビュー。初めての年間出場シーズンとなった 1980年に 100盗塁を達成し,タイ・カッブのもつアメリカンリーグの年間最多盗塁記録を更新。この年を皮切りに,7年連続でリーグ盗塁王に輝く。1982年にはルー・ブロックが 1974年に達成した年間 118盗塁の大リーグ記録を上回る 130盗塁を達成。1984年のシーズン終了後にニューヨーク・ヤンキーズにトレードされたが,1989年のシーズン中に再びアスレティックスに戻り,その年のワールドシリーズ制覇に貢献した。1990年には通算盗塁数でもカッブのもつリーグ記録を更新し,リーグ最優秀選手 MVPに選出された。1991年には通算 939個目となる盗塁を決め,ブロックのもつ通算盗塁数の大リーグ記録も塗り替えた。サンディエゴ・パドレス在籍中の 2001年,ベーブ・ルースの通算四球記録 2062を更新,2004年にバリー・ボンズに破られるまで最多記録を維持した。同 2001年,通算 2246得点目を上げてカッブのもつ通算記録を上回り,さらにシーズン最終日に大リーグ史上 25人目となる 3000本安打を達成した。2009年野球殿堂入りを果たした。

ヘンダーソン
Henderson, Arthur

[生]1863.9.13. グラスゴー
[没]1935.10.20. ロンドン
イギリスの政治家。鋳型工の出身。労働組合指導者を経て,1903年労働党下院議員。 11~34年党書記。第1次世界大戦当初,戦争協力の姿勢をとり,H.アスキスおよびロイドジョージ連立内閣に文相として入閣。 17年政府使節としてロシアに行き,臨時政府の見解に賛同,帰国後,ストックホルムの社会主義者大会への代表派遣を提案したが,イギリス政府の承諾を得られず,辞職。 S.ウェッブとともに,労働党の強化育成に努力。 18年の党綱領決定に貢献。第1次 (1924) ,2次 (29~31) の J.R.マクドナルド労働党内閣の内相,外相。国際連盟の推進やジュネーブ海軍軍縮会議の創設に努めたが,経済政策でマクドナルドと対立,内閣は瓦解。 31年組織されたマクドナルドの挙国一致内閣に対する反対党としての労働党の指導者となったが,同年の選挙で議席を得られず,軍縮会議議長の職務に邁進。 34年ノーベル平和賞受賞。

ヘンダーソン
Henderson, Fletcher

[生]1898.12.18. ジョージア,カスバート
[没]1952.12.29. ニューヨーク
アメリカのジャズ・ピアニスト,楽団指揮者。アトランタ大学を卒業後,1920年にジャズ・ピアニストになり,23年に小編成の楽団を結成。 24年には大編成に変えてビッグ・バンド・ジャズの先駆者となった。 39年に楽団は解散,ベニー・グッドマン楽団の編曲をして,スイング時代をつくりだした。

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘンダーソン」の意味・わかりやすい解説

ヘンダーソン
Fletcher Henderson
生没年:1897-1952

アメリカのジャズ初期の黒人バンド・リーダー,編曲者,ピアニスト。本名James Fletcher Henderson。愛称のSmackやフレッチャー・ヘンダーソンとして知られる。ジョージア州の黒人校長の家庭に生まれ,1920年アトランタ大学卒業。ニューヨークに出てブラック・スワン・レコードの音楽監督を務め,レコード吹込みのピアノ伴奏,コンボ指揮をとったのち,23-34年第一級の黒人ビッグ・バンド,ヘンダーソン楽団を指揮し,編曲も行った。とくに24年以後1年間,シカゴから天才アームストロングを入団させて体質を一変,30年代に活躍した大物は,みなこの楽団の出身者であった。大不況で解散した後,その編曲を譲り受けたベニー・グッドマンはスウィング王となった。その波に乗って再びバンドを編成したが永続きせず,グッドマン楽団の編曲者・ピアニストに雇われた。代表作に《フレッチャー・ヘンダーソン・ストーリー》(CBS)などがある。
執筆者:

ヘンダーソン
Arthur Henderson
生没年:1863-1935

イギリスの政治家。スコットランド出身。鋳鉄工として組合活動に入り,1903年下院議員,11年労働党書記長,16年戦時内閣閣僚となる。翌年ロシアを訪れ,早期戦争終結の努力を支持して閣外に去り,党の社会主義綱領作成,組織強化に努める。第1次労働党内閣内相(1924),同第2次内閣外相(1929-31)。24年ジュネーブ議定書の作成に協力し,32年ジュネーブ軍縮会議議長として活躍,34年ノーベル平和賞を受賞。
執筆者:

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヘンダーソン」の解説

ヘンダーソン
Arthur Henderson

1863~1935

イギリスの政治家。1903年独立労働党から下院議員に選出。06年労働党の結党に参加,11年その党首に選ばれる。第一次世界大戦中労働党を指導,15年入閣して戦争遂行に協力した。17年辞任後党の再組織に乗り出し,18年労働党への個人参加の承認,新綱領の採択などによって,党の新しい組織化に努めた。29~31年外相,32~33年ジュネーヴ軍縮会議議長として国際平和に尽力,34年ノーベル平和賞受賞。

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百科事典マイペディア 「ヘンダーソン」の意味・わかりやすい解説

ヘンダーソン

英国の政治家。労働組合出身。1903年下院議員となり,第1次大戦中の労働党を指導。1915年入閣して戦争に協力。1917年辞任して党の再建と組織づくりに活躍。第1次・2次のマクドナルドの労働党内閣で内相,外相。1932年ジュネーブ軍縮会議では議長を務めた。1934年ノーベル平和賞。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ヘンダーソン」の解説

ヘンダーソン
Arthur Henderson

1863〜1935
イギリスの政治家
1903年以来,労働党下院議員。1908年以後,2度労働党の党首となる。1934年ノーベル平和賞を受賞。

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367日誕生日大事典 「ヘンダーソン」の解説

ヘンダーソン

生年月日:1882年6月10日
イギリスの外交官
1942年没

ヘンダーソン

生年月日:1865年9月15日
イギリスの政治家
1935年没

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世界大百科事典(旧版)内のヘンダーソンの言及

【労働党】より

…しばらくは〈リベラリズムの侍女〉の地位に甘んじ,自由党の社会改良政策に追従した。 第1次大戦で戦争支持のA.ヘンダーソンが党委員長となり,戦時内閣に参加するが,ロシア革命後は交渉による平和を主張して内閣を去り,これが党を自立に導くとともに反戦リベラルの労働党への参加の道を開いた。戦時中の組織労働者の飛躍的増加が党の自立を支え,18年S.J.ウェッブの協力を得て社会主義綱領が作成された。…

※「ヘンダーソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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