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ベナジル・ブット元首相 べなじるぶっともとしゅしょう

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知恵蔵2015の解説

ベナジル・ブット元首相

2007年10月18日、パキスタンの総選挙に備え、ベナジル・ブット元首相が国外の亡命生活を終えて8年ぶりに帰国した。故郷のカラチに降り立ったブット氏を約10万人の支持者が出迎えたが、同時に待っていたのは、約140人の犠牲者を出す自爆テロ攻撃と、政治の混乱状況だった。 父は大統領も務めたズルフィカル・アリ・ブット元首相、祖父は独立運動の指導者という、パキスタン南部の政界名門の家庭で1953年6月に生まれ、米英に留学してエリート教育を受けたが、半生は波乱に満ちている。父は79年に政変で処刑され、本人も自宅軟禁の後、英国に亡命する憂き目にあう。父が初代党首であったパキスタン人民党(PPP)の党首となり、88年の総選挙に勝利し、イスラム諸国では初の女性首相に就任した。だが、首相を2度務めた末、汚職を摘発され、96年に失脚した後、国外に逃れていた。 ブット氏の帰国の背景には、民主回復を望む国民の声に加え、パキスタンをめぐる米国の思惑もある。米国は「反テロ戦争」の遂行のためにムシャラフ政権の継続を望む一方、パキスタン国内の民主化を求めてきた。このため、親米の穏健派であるブット氏との連携を促したとされる。だが、情勢は混迷を深め、ムシャラフ政権とブット氏との連携が進むとの見方は少ない。

(竹内幸史 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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