ベネディクティン(英語表記)Bénédictine

改訂新版 世界大百科事典 「ベネディクティン」の意味・わかりやすい解説

ベネディクティン
Bénédictine

フランス産のリキュール。16世紀初めノルマンディーの漁港フェカンにあるベネディクト会修道院創製されたという歴史の古い酒で,かつてはシャルトルーズとともにリキュールの双へきと呼ばれた。原料製法は秘密にされているが,ブランデーを基酒として27種の香草を配合するという。アルコール分43%,複雑な芳香をもつ黄緑色の酒で,甘味が強い。〈至善至高の神に〉の意のラテン語Deo Optimo Maximoを略したDOMの文字がラベルにあり,ドムとも呼ばれる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

飲み物がわかる辞典 「ベネディクティン」の解説

ベネディクティン【Bénédictine(フランス)】


フランスのベネディクティン社が製造するリキュールの商標名。27種類の薬草類を用い、良質のブランデーに浸漬したり、ともに蒸留したりして、成分を浸出させてつくる。アルコール度数は43度。◇1510年、フランス北西部ノルマンディ地方のフェーカンにあったベネディクト派修道院において、ベルナルド・ビンチェリが考案した。修道院で用いられた祈りの言葉で、「至善至高の神に捧ぐ」という意のラテン語「Deo Optimo Maximo」の頭文字「DOM」がラベルに記される。「ベネディクティンDOM」ともいい、略して「ドム」ともいう。「ベネディクティン」というと一般にベネディクティンDOMをいうが、これとブランデーをブレンドしたものもあり、両者の頭文字をとって「ベネディクティンDOM B&B」という。

出典 講談社飲み物がわかる辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベネディクティン」の意味・わかりやすい解説

ベネディクティン
べねでぃくてぃん
bénédictine フランス語

フランスのベネディクト派の僧、ドン・ベルナルド・バンセリーによって1501年につくられた有名なリキュール。多くの薬草、香草を良質のブランデーに浸漬(しんし)してつくるといわれるが、その処方羊皮紙に書かれて寺院に保存され、製法はいまでも明らかにされていない。アルコール分約43%、黄緑色で甘口である。「ドム」DOMともよばれ、ラテン語Deo Optimo Maximo(全知全能の神へ)の頭文字である。

[原 昌道]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android