日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ベルイマン(Hjalmar Fredrik Elgérus Bergman)
べるいまん
Hjalmar Fredrik Elgérus Bergman
(1883―1931)
スウェーデンの作家。風変わりな人物、みごとな着想、巧妙な話術で人気をかちえた。戯曲『イエスの母マリア』(1905)、歴史小説『サボナローラ』(1909)ののち、『バードチョーピングのマルクレル家の人々』(1919)で作家の地位を確立。戯曲はしばしば上演の機会に恵まれる。エンターテイメント作家の彼に、『死者の手記』(1918)、『道化師ヤック』(1930)のように、まじめな人生探究、告白の書があることは見逃せない。円熟期の大半を海外で過ごしたことと、徹底したハリウッド嫌いは、彼の人生観と性癖の一端を物語る。
[田中三千夫]