日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 ベルト(Giuseppe Berto)べるとGiuseppe Berto(1914―1978) イタリアの小説家。第二次世界大戦中、北アフリカ戦線で連合国軍の捕虜となり、アメリカに抑留、捕虜収容所で小説を書き始める。帰還後の1947年、戦争による荒廃を描いた『空は赤い』でデビュー。長い中断のあと、64年に大作『癒(い)えざる病(やまい)』を発表、心理分析の手法、大胆な構文を用いて、神経症を病む主人公=小説家の、憑(つ)かれたような独白をえんえんと綴(つづ)った同作は、ネオレアリズモの行き詰まりを克服する実験的な試みとして、内外に大きな衝撃を与えた。[古賀弘人] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例