ベルナルダンドサンピエール

精選版 日本国語大辞典

ベルナルダン‐ド‐サン‐ピエール

(Jacques Henri Bernardin de Saint-Pierre ジャック=アンリ━) フランスの小説家、博物学者。ルソーと親交があった。「自然研究」の一挿話として文明への批判と自然賛美に満ちた小説「ポールとビルジニー」を書いた。フランス文学における自然描写の先駆とされる。（一七三七‐一八一四）

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

ベルナルダン・ド・サン・ピエール
Jacques-Henri Bernardin de Saint-Pierre
生没年：1737-1814

フランスの作家。北フランスのル・アーブルに生まれ，夢想的情緒不安定な性格で，土木技師の資格を得ると，早くからオランダ，ドイツ，ポーランド，ロシアを歴遊し，さらには1768年インド洋上のフランス島（現，モーリシャス島）に赴き，70年まで滞在。帰国後パリでルソーを知り，その影響を強く受けた。73年処女作《フランス島紀行》の出版後，自然界のすばらしさによる神の証明を目的とした《自然の研究》の著述に没頭，84年に最初の3巻を発表，成功を収めた。大革命期には植物園長（1792），学士院会員（1795）となり，以後幸福な晩年を送った。《自然の研究》の第4巻として刊行の牧歌的純愛小説《ポールとビルジニー》（1788）は自然と美徳の賛美，色彩感覚豊かな絵画的文体，ことに異国情緒によって大きな反響を呼んだ。同系列の小説《インドの藁屋》（1790）のほか，遺作《自然の調和》（1815）がある。
執筆者：中川 信

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世界大百科事典（旧版）内のベルナルダンドサンピエールの言及

【ポールとビルジニー】より

…ベルナルダン･ド･サン･ピエールの小説。1788年刊。…

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