ベロン(読み)べろん(英語表記)Eugène Véron

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベロン(Eugne Vron)
べろん
Eugne Vron
(1825―1889)

フランスの美学者、評論家。パリに生まれる。高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)を出たあと、雑誌『芸術』L'Artを編集・出版するなど、ジャーナリズムで活躍。テーヌの実証主義、環境説を継承しながら、その観念論は排し、芸術家の個性の表明こそが芸術の目的であり、かつ鑑賞者に美的感情を引き起こすものだとした。主著『美学』L'Esthtique(1878)は中江兆民によって『維氏(ゆうし)美学』(1883~1884)の名で翻訳されたが、ドイツ観念論に依拠した森鴎外(もりおうがい)らの批判を受け、当時の日本美学界への反響は少なかった。[村山康男]
『中江兆民訳『維氏美学』(『明治文化全集 補巻1』1970・日本評論社) ▽『中江兆民全集 第2、3巻』(1984・岩波書店)』

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