日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ベーム(Georg Böhm)
べーむ
Georg Böhm
(1661―1733)
ドイツの作曲家、オルガン奏者。オールドルフ近郊のホーエンキルヒェン生まれ。校長兼オルガン奏者だった父から音楽教育を受けたが、1675年に父が世を去ると、ゴールトバッハのラテン語学校を経てゴータのギムナジウムで学んだ。84年イエナ大学に入学、93年までにハンブルクに移っている。98年、クリスティアン・フローアの後任としてリューネブルクの聖ヨハネ教会のオルガン奏者に就任し、1733年5月18日に同地で没するまでその職にとどまった。1700~02年に同地のミカエル学校で学んだ若きバッハに、とくにコラール前奏曲の書法において多大な影響を与えた。オルガン曲、クラビア曲、カンタータ、モテットのほか、かつてはヘンデル作とされていたポステルの受難詩による『ヨハネ受難曲』(1704)を残している。
[樋口隆一]