ベールンド(読み)べーるんど(英語表記)Vlundr

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベールンド」の意味・わかりやすい解説

ベールンド
べーるんど
Vlundr

北欧および西ヨーロッパの記録から知られる伝説的名工。『エッダ』によるとベールンドはフィン王の子で、兄のスラグビズ、エギルとともに森で狩りをしていた。そして彼らは白鳥羽衣をまとった美しい乙女らと出会い、結婚する。しかし9年すると彼女らは立ち去り、1人森に残ったベールンドは黄金によって腕輪を鍛(きた)える。ニャーラルの王ニーズズは、鍛冶(かじ)場で宝を鍛えさせるためにベールンドを捕らえ、逃げられないように膝(ひざ)の腱(けん)を切って沖の島に移す。王を深く恨んだベールンドは、復讐(ふくしゅう)のため2人の王子を殺し、さらに王女を犯して自らつくった翼で空中に飛び上がり、上空から王に仕返しことばを投げる。

[谷口幸男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android