世界大百科事典 第2版「ペレス・デ・アヤラ」の解説
ペレス・デ・アヤラ【Ramón Pérez de Ayala】
スペインの小説家,詩人,批評家。オビエド生れ,同地の大学で法律を学ぶ。教授で批評家のクラリンClarín(1852‐1901)に師事し,欧米を旅行したあと,第1次大戦ではアルゼンチンの《ラ・プレンサ》紙の特派員としてイタリア戦線に赴く。共和政府のもとでは思想的指導者の一人で,駐英大使にも任命されたが,フランコ政権成立後,アルゼンチンへ亡命。1955年に帰国が許された。詩人としては知的で,象徴的な詩集《小径(こみち)の平和》(1903),《多くの小径》(1916)などがあり,随筆《仮面》(1917‐19)では文明批評家としての炯眼(けいがん)を示している。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報