日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ペン(William Penn)
ぺん
William Penn
(1644―1718)
アメリカ、ペンシルベニア植民地の創設者で、熱心なクェーカー教徒。父は、クロムウェルに仕え、チャールズ2世の王政復古にも協力した有名なイギリスの海軍提督。イギリスにいたとき、急進的信仰のゆえにオックスフォード大学を追われたが、執筆や説教活動を続けた。父の死後、1681年、国王よりペンシルベニア開拓の特許状を獲得。同地を宗教の自由の実践地だけでなく、社会的、政治的に不遇な人々のための避難所とした。同地へのペンの投資、土地の廉価な売却、豊かな生産力、国王の寛大な特許状、インディアンとの友好関係などの条件も加わり、同植民地は発展した。数多くの書物やパンフレットを著し、自由のために努力したが、本国の政情の変化や負債のため、晩年は不幸だった。
[野村文子]
『今津晃著『アメリカ革命史序説』(1960・法律文化社)』
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