日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホイットニー(William Dwight Whitney)
ほいっとにー
William Dwight Whitney
(1827―1894)
アメリカの言語学者。エール大学のサンスクリット語教授。ホイットニーは、欧米の言語研究が、アリストテレス以来の論理学的アプローチか、さもなければ19世紀に盛んになった生体論的アプローチによっていることに異議を唱え、「言語とは恣意(しい)的な契約に基づく社会制度である」という理論をたてた。これはスイスの言語哲学者F・ド・ソシュールに多大な影響を与えた考え方であり、まさに従来の「言語学の軸を変えた」(ホイットニーへの未完追悼論文、1894)といわしめている。その主張は『言語と言語研究』Language and the Study of Language(1867)と『言語の生命と発達』The Life and Growth of Language(1874)に詳しい。
[丸山圭三郎 2018年8月21日]
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