日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホフマン(Josef Hoffmann)
ほふまん
Josef Hoffmann
(1870―1956)
オーストリアの建築家。ピルニッツに生まれる。ウィーンの美術学校で建築を学び、オットー・ワーグナーに深い影響を受けた。1897年ウィーン分離派の創立者の1人となり、師の合理主義を推進させるというよりも、洗練された感覚面で過去からの「分離」を目ざした。1903年、コロマン・モーザーらとウィーン工房を設立し、工芸界の刷新に携わった(1933閉鎖)。代表作であるブリュッセルのストックレ邸(1905~11)もこうした高雅な趣味性に貫かれている。14年のドイツ工作連盟のケルン博ではオーストリア館を設計し、分離派以来の成果を示した。1899~1936年ウィーン工芸学校教授を務め、ウィーンに没した。
[高見堅志郎]
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