ホブソン(John Atkinson Hobson)(読み)ほぶそん(英語表記)John Atkinson Hobson

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホブソン(John Atkinson Hobson)
ほぶそん
John Atkinson Hobson
(1858―1940)

イギリスの社会経済学者。イングランドのダービー市に生まれる。1876年から80年までオックスフォード大学で古典学を学び、卒業後経済学の研究を始めた。処女作は実業家マムマリーとの共著『産業の生理学』The Physiology of Industry(1889)である。その後の著作活動は活発で、経済学のほか、政治学、社会学、倫理学などに及び、著書は50点を超えている。彼は19世紀後半のビクトリア中期から20世紀の第二次世界大戦までのイギリスの繁栄と不況のなかで、失業、貧困、所得格差、自由主義と帝国主義、戦争、社会統制といった激動の時代にしたたかに挑戦したユニークな「社会改革」者であった。彼の学説の基本は、資本主義の下での富の分配の不平等によって消費が円滑にいかず、過度の貯蓄、過度の投資をもたらし、その結果、生産過剰になるというのである。主著は『帝国主義論』Imperialism : A Study(1902)であり、ここでも、過剰貯蓄と過少消費という富の不公平な分配を批判し、金融資本家を核とする資本家的利益集団が帝国主義の重要な経済的要素をなすものであると説いた。

[清水嘉治]

『矢内原忠雄訳『帝国主義論』上下(岩波文庫)』『高橋哲雄訳『異端の経済学者の告白―ホブスン自伝』(1983・新評論)』『清水嘉治著『改革の経済思想―J・A・ホブスン研究序説』(1998・白桃書房)』

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