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ホモ・ハビリス Homo habilis

世界大百科事典 第2版の解説

ホモ・ハビリス【Homo habilis】

1964年にL.リーキーらが,タンザニア北部のオルドバイOlduvai遺跡出土の人類化石にもとづいて記載した学名で,〈ハビリス人〉すなわち〈器用なヒト〉を意味している。近年はR.リーキーらが報告したケニアのトゥルカナ湖東部からの化石が有名であり,また,南アフリカのスワートクランス遺跡からの化石の中にも,この系統の人類化石が指摘されている。頭骨のほか,体肢骨の化石も知られているが,不完全な標本が多いことと,くわしい研究が進んでいないことから,全体像は必ずしもよくわかっていない。

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世界大百科事典内のホモ・ハビリスの言及

【ホミニゼーション】より

…アウストラロピテクス化石は,大柄(身長約165~180cm)で骨の厚い〈ごつ型〉と,小柄(身長約130~150cm)で骨の薄い〈やさ型〉に大別される。一部の専門家は後者こそ人類直系の祖先だと主張し,その一部を現代人と同属のホモ・ハビリスHomo habilisと呼んでいる。化石の発掘された地層の分析から,彼らはすでに森林を捨てサバンナまたは草原に住んでいたこと,きわめて加工度は低いが石器を使用していたことがわかっている。…

【猿人】より

…なお,古く1940年代,50年代に記載されたアジア(ジャワおよび中国南部)の人類化石中に,がんじょうな猿人のものにあたるとされる化石があるが,異論もあり,断片的な化石でもあることから,確認しえない。
[ハビリス人]
 1964年,L.リーキーらがタンザニアのオルドバイ(旧称オルドワイ)からの化石にもとづいて,ホモ・ハビリスの学名で記載して以来,主として東アフリカで化石が知られ,南アフリカからも出土が示唆されている。比較的保存がよく,有名になっているものとして,1970年代にトゥルカナ湖東部で発見され,R.リーキーによって報告されたKNM‐ER‐1470(ケニア国立博物館の資料番号)頭骨があり,よく1470頭骨と略称されている。…

【旧石器時代】より

…64年に,リーキーはジンジャントロプスよりもさらに下層から,より進歩した形質をもった人骨が発掘されたという発表を行った。リーキーはそれにホモ・ハビリスという名前をあたえ,オルドバイ第I層の石器を製作したのはジンジャントロプスではなくて,このホモ・ハビリスであったに違いないという新見解を示した。しかも前に発見されたジンジャントロプスは石器製作の能力がなく,ホモ・ハビリスの手にかかって殺されえじきとなった生物ではあるまいか,とさえ考えられるようになった。…

【人類】より

… 猿人から原人への移行,換言すればホモ属の出現をめぐって,いわゆるハビリス説と単種説とが鋭く対立している。ホモ・ハビリスなどすでにホモ属の特徴をそなえた人類が,200万~150万年前にアフリカヌスやロブストゥスと共存し,この2種は原人へはつながらず絶滅したとするハビリス説は,最古の猿人であるアファレンシス種から約250万年前にハビリスとアフリカヌスが分かれ,ハビリスは原人・旧人段階をへて現生人類にまで進化したのにたいし,アフリカヌスはロブストゥスへ発展した後,約100万年前に絶滅し去ったというD.C.ヨハンソンの説によって代表される。これにたいして,ハビリスとアフリカヌス,ロブストゥスの形態上の相異は同種内の変異にすぎないとみるC.L.ブレースらは,アウストラロピテクスはすべて一つの種に属し,アファレンシス,アフリカヌス,ロブストゥスは種のレベルで区別されるべきものではなく,それぞれは進化段階を示すもので,ロブストゥスから原人段階へ発展したと主張する。…

【ホミニゼーション】より

…アウストラロピテクス化石は,大柄(身長約165~180cm)で骨の厚い〈ごつ型〉と,小柄(身長約130~150cm)で骨の薄い〈やさ型〉に大別される。一部の専門家は後者こそ人類直系の祖先だと主張し,その一部を現代人と同属のホモ・ハビリスHomo habilisと呼んでいる。化石の発掘された地層の分析から,彼らはすでに森林を捨てサバンナまたは草原に住んでいたこと,きわめて加工度は低いが石器を使用していたことがわかっている。…

※「ホモ・ハビリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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