ホームズ(Oliver Wendell Holmes、法律家)(読み)ほーむず(英語表記)Oliver Wendell Holmes

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ホームズ(Oliver Wendell Holmes、法律家)
ほーむず
Oliver Wendell Holmes
(1841―1935)

アメリカの同姓同名の医師・随筆家(1809―1894)の子で、著名な法律家。ハーバード大学卒業(1861)、南北戦争(1861~1865)に参戦、のちに弁護士となった(1867)。『アメリカン・ロー・レビュー』誌の編集(1870~1878)等に携わり、『コモン・ロー』(1881)という著作のなかで自己の思想を体系化した。ハーバード大学で法律学を講じた(1882.9~12)のち、マサチューセッツ最高裁の判事(1882~1899)、同長官(1899~1902)を歴任、1902年には合衆国最高裁の判事に任命され、1932年まで活躍した。裁判官としては、アメリカの歴史に残る数々の判決のなかで合衆国最高裁の保守的な態度を批判し、自己の意見を堂々と述べたので、「偉大な少数意見者」との異名をとった。しかし、彼の少数意見のなかにはのちに多数意見として影響力をもつに至ったものも少なくない。著書としては、前掲のほか、『法律論文集』(1920)などがある。

堀部政男

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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