ホーム・リンガー商会

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ホーム・リンガー商会

中国で茶の検査官をしていたフレデリック・リンガーは1863年、トーマス・B・グラバーに誘われてグラバー商会に入社した。その後、事業を引き継ぎ、ホーム・リンガー商会を設立した。同社は、造船資材や工業機械、茶、毛織物の取引や捕鯨で大きな利益を得た。欧米の保険会社や海運会社から、日本での代理店業を任された。1907年には英国から日本初の蒸気トロール船を導入し、大規模な底引き網漁を始めた。水揚げした魚は列車で大阪へ輸送して販路を開拓。水産県・長崎の基盤を作った。また、グラバーの息子で同社の幹部だった倉場富三郎が、日本人と外国人の社交場となる長崎内外倶楽部を開くなど、同社は居留地内外の交流にも熱心だったという。「グラバーは知名度が高いが、居留地の黄金時代に大きな役割を果たしたのはむしろホーム・リンガー商会だ」と、バークガフニ教授は評価している。

(2008-10-17 朝日新聞 朝刊 長崎 2地方)

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