日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホール(Charles Martin Hall)
ほーる
Charles Martin Hall
(1863―1914)
アメリカの化学技術者。アルミニウムの溶融塩電解法を発明し工業化した。オハイオ州に生まれる。オバーリン大学在学中に師のジューエットFrank Fanning Jewett(1844―1926)教授の示唆により、アルミニウムの製法に関心をもち実験を開始した。1886年溶融水晶石にアルミナを溶解させ、溶融塩電解法により金属アルミニウムをつくることに成功し特許をとった。これは、彼と生没年がまったく同じフランスのエルーと偶然にもほぼ同じ方法で、しかも同じ年の発明であったので、ホール‐エルー法といわれている。1888年ピッツバーグ製造会社(現、アルコア)がこの方法でアルミニウムの生産を開始し、1890年彼は副社長となり、今日のアルミニウム工業の基礎を築いた。
[矢木哲雄]
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