日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホール(James Hall)
ほーる
James Hall
(1811―1898)
アメリカの地質学者、古生物学者。マサチューセッツ州ヒンガムに生まれる。1836年にニューヨーク州地質調査所ができたとき、地質技師補として入所する。翌1837年、地質技師となる。調査費に州の援助がないときには私費を投じて調査するなど、熱心な研究活動が実って古生界ニューヨーク系の確立を行い、またニューヨーク州の地質と古生物についての大著を発表した。1859年には、アパラチア山脈地区が堆積(たいせき)に歩調をあわせて徐々に沈降し、褶曲(しゅうきょく)して大山脈になったとする説、すなわち地向斜のオリジナルな概念を初めて発表した。また、初代アメリカ地質学会会長となった。
なお、同名で同等に名高いSir James Hall(1761―1832)はイギリスの地質学者で、「実験地質学の創設者」といわれる。
[木村敏雄]
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