ボルィンスキー(読み)ぼるぃんすきー(英語表記)Аким Львович Волынский/Akim L'vovich Volïnskiy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルィンスキー」の意味・わかりやすい解説

ボルィンスキー
ぼるぃんすきー
Аким Львович Волынский/Akim L'vovich Volïnskiy
(1863―1926)

本姓フレクセルФлексер/Flekser。ロシアの文芸批評家。ペテルブルグ大学卒業後『北方通報』誌をよりどころに文学活動を始め、初期象徴主義者と共同戦線を張る。批判的観念論の立場をとり、神秘主義への傾斜を示す。『ロシアの批評家たち』(1896)、『観念論のための闘い』(1900)などの実証主義・功利主義批判と、一連のドストエフスキー論『美の悲劇』(1899)、『カラマーゾフの王国』(1901)、『偉大なる憤怒の書』(1904)が主要な仕事である。美術分野では『レオナルド・ダ・ビンチ』などの著作を残す。革命後はバレエを研究し、『法悦の書』(1925)を著し、レニングラード舞踊学校長を務める。

[御子柴道夫]

『埴谷雄高訳『偉大なる憤怒の書』(1970・みすず書房)』『川崎浹訳『カラマーゾフの王国』(1974・みすず書房)』『大島かおり訳『美の悲劇』(1974・みすず書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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