ボーブナルグ（英語表記）Luc de Clapiers, Marquis de Vauvenargues

デジタル大辞泉

ボーブナルグ（Luc de Clapiers Vauvenargues）

［1715～1747］フランスのモラリスト。生涯不遇であったが、独自の楽天主義の立場に立ち、人間の高貴な情熱と行動力を強調した。著「省察と箴言」など。

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精選版 日本国語大辞典

ボーブナルグ

(Luc de Clapiers, Marquis de Vauvenargues リュク=ド=クラピエ、マルキ=ド━) フランスのモラリスト。楽天的な立場から人間を肯定的に省察した。主著「省察と箴言」。（一七一五‐四七）

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改訂新版　世界大百科事典

ボーブナルグ
Luc de Clapiers, Marquis de Vauvenargues
生没年：1715-47

フランスのモラリスト。南フランスのエクサン・プロバンスに由緒ある貴族の子として生まれる。軍人となったが，軍隊生活に幻滅し，健康も損ねて，外交官を目ざすが志を果たさず，1745年以降パリで貧窮生活のうちに文学に専心した。46年《人間精神認識への序説，付反省と格言》を出版，翌年再版準備中に死去した。パスカルやラ・ロシュフーコーの影響を受けて，多く断章や格言の形式を用いて人間精神のあり方を探究したが，彼らとは対照的に，利己主義と区別された自己愛を肯定することによって悲観主義的な人間観を退け，従来理性に比べて軽視されていた情念の価値を顕揚した。
執筆者：塩川 徹也

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ボーブナルグ
ぼーぶなるぐ
Luc de Clapiers, marquis de Vauvenargues
（1715―1747）

フランスのモラリスト。エクサン・プロバンスに生まれ、最初軍人として栄達を夢みるが傷痍(しょうい)のため断念した。以後、病弱の彼は文学に活路をみいだし、1746年『人間精神認識序説』Introduction à la connaissance de l'esprit humainに『箴言(しんげん)と省察』を付し刊行するが、1年後に夭折(ようせつ)した。たび重なる不運にもかかわらず、箴言に表明された哲学は楽天的で、感情重視の主張はロマン主義の先駆をなす。

［市川慎一　2015年6月17日］

『内藤濯訳『省察と箴言』（1948・創元社）』▽『ヴォーヴナルグ著、関根秀雄訳『不遇なる一天才人の手記』（岩波文庫）』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ボーブナルグ
Vauvenargues， Luc de Clapiers， marquis de

[生]1715.8.6. エクサンプロバンス
[没]1747.5.28. パリ
フランスのモラリスト。軍人を経て外交官を志したが天然痘にかかり失明状態となったため，ボルテールのすすめもあって死の2年前から文筆活動に入った。 1746年に『人間精神認識への序説』 Introduction à la connaissance de l'esprit humainや『省察と箴言 (しんげん) 』 Réflexions et Maximesなどを収めた著作集を刊行。思想上はパスカルの現世否定や 17世紀のキリスト教徒一般のペシミスティックな人間観に反対し，ボルテール的な理神論の立場を取った。

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ボーブナルグ

フランスのモラリスト。パスカル，ラ・ロシュフーコーの影響の下，情念を重視する人間探究の書《人間精神認識への序説，付・反省と格言》（1746年）の作者として知られる。
→関連項目モラリスト

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