ボーモント(Sir Francis Beaumont)(読み)ぼーもんと(英語表記)Sir Francis Beaumont

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ボーモント(Sir Francis Beaumont)
ぼーもんと
Sir Francis Beaumont
(1584ころ―1616)

イギリス劇作家。オックスフォード大学卒業。初め法律を学んだがのち劇作家に転じた。しかし彼単独の作品には荒唐無稽(こうとうむけい)な騎士物語やそれを歓迎する観客を風刺的に描いた『燃えるすりこぎ騎士』(1607)など2編があるだけで、むしろ1608年から5年間にフレッチャーと共作した約10編の劇で代表されることが多い。これらは悲喜劇が主で、中心が庶民から宮廷人へとかわりつつあった当時の観客層の趣味をうまくとらえている。合作の代表作に『フィラスター』(1610ころ)、『乙女悲劇』(1611ころ)など。

[中野里皓史]

『笹山隆著『ドラマと観客』(1982・研究社出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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