デジタル大辞泉
「ポルタニグラ」の意味・読み・例文・類語
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ポルタニグラ【ポルタニグラ】
Porta Nigra
ドイツ西部のラインラントファルツ州にあるモーゼル川畔の都市トリーア(Trier)旧市街北側に位置する、古代ローマ時代の建築物の遺構。トリーアはローマの軍団の駐屯地・兵站(へいたん)地を起源とする町で、3~4世紀にはローマ帝国有数の大都市に発展し、四分治制(テトラルキア)移行は4つの首都のうちの一つとなった。こうしたことから、ローマ時代の遺跡が数多く残っている。◇ポルタニグラもその一つで、西暦180年にローマ市壁の北門として建造された城門である。「ポルタニグラ」は「黒い門」という意味だが、黒みを帯びた砂岩を、モルタルを使用せずに交互に積み重ねて鎹(かすがい)で固定した、高さ30m、幅36m、奥行き22mの構造物で、144のアーチ型の窓が設けられている。1035年にこのローマの城門を覆うかたちで聖シメオン教会が建設されたが、1805年にトリーアを占領したナポレオンがローマ時代以外の建造物の撤去を命じたことにより、元の姿に戻された。世界遺産「ローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂、聖母マリア教会」の一部である。
出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報