マクミラン(Harold Macmillan)(読み)まくみらん(英語表記)Harold Macmillan

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マクミラン(Harold Macmillan)
まくみらん
Harold Macmillan
(1894―1986)

イギリスの政治家。マクミラン出版社の経営者の家に生まれる。オックスフォード大学を卒業後、第一次世界大戦に従軍。1924年保守党下院議員になった。1930年代には、保守党の若手進歩派の代表的人物として経済計画の必要性を唱え、ドイツやイタリアに対する宥和(ゆうわ)政策に批判的態度をとった。第二次世界大戦中は、供給省政務次官や航空相を務めた。1951年チャーチル内閣の住宅相に就任、住宅建設に功績をあげ、ついで国防相、イーデン内閣の外相、財務相を歴任した。スエズ戦争直後、首相の座につき(1957年1月)、スエズ戦争によって低下したイギリスの威信を回復するべく、対米関係の改善を図りながら東西間の緊張緩和外交を展開した。一方、経済の拡大にも努めたが十分に成功せず、1961年ヨーロッパ経済共同体EEC)への加入を申請した。しかし1963年それが拒絶され、政府の力は著しく低下、同年10月に首相を辞任した。

[木畑洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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