マドリードのエル-エスコリアル修道院とその遺跡(読み)マドリードのエルエスコリアルしゅうどういんとそのいせき

世界遺産詳解 の解説

マドリードのエルエスコリアルしゅうどういんとそのいせき【マドリードのエル-エスコリアル修道院とその遺跡】

1984年に登録されたスペインの世界遺産(文化遺産)。首都マドリードの北西、グワダラマ山脈の麓にある、王宮修道院、博物館、図書館が一体となった複合施設である。正式名称は「サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアール王室修道院」。この修道院と王宮は、フェリペ2世が父カルロス1世霊廟と聖ラウレンティウスの加護に感謝する建物として、1563年に建設に着手し、21年の歳月を要して完成させたものである。この修道院と王宮は、フアン・バウティスタ・デ・トレド、ヒアンバティスタ・カステリョ、フアン・デ・エレーラの3人の歴代の建築家によって、厳格な古典様式(スペイン・ルネサンス様式)の建物として設計された。修道院と王宮が一体となった建物は東西206m、南北161mと壮大な規模を持つ。特にエレーラの独自のアイデアが随所にちりばめられていることから、エレーラ様式と呼ばれている。この建築物群の中には、膨大な数の古文書を収蔵した図書館もある。また、ここは5世紀に及ぶ長きにわたり、スペイン王家の墓所とされてきたところで、カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)、フェリペ2世、フェリペ3世フェリペ4世カルロス2世ハプスブルク家の歴代の王と、ルイス1世、カルロス3世カルロス4世フェルナンド7世イサベル2世アルフォンソ12世フェリペ5世フェルナンド6世のブルボン家出身の王が埋葬されている。◇英名はMonastery and Site of the Escurial, Madrid

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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