マラー/サド(読み)マラー・サド(英語表記)Marat/Sade

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マラー/サド」の意味・わかりやすい解説

マラー/サド
マラー・サド
Marat/Sade

ドイツの劇作家 P.ワイス戯曲。2幕。 1964年初演。正式題名は『サド侯爵演出によるシャラントン癲狂院患者一同によって演じられたマラー迫害暗殺』。ナポレオン帝政時代,サドに率いられた狂人たちがフランス革命期の政治家マラーの暗殺事件を演じるさまを描いた作品。不条理演劇残酷演劇の影響を受けた文体で,革命/体制の対立狂気/正気の対立を重ね合せている。革命家マラーと徹底した個人主義者サドの対置は,閉塞状況に陥っていた作者の自己対話であったとも考えられる。

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デジタル大辞泉プラス 「マラー/サド」の解説

マラー/サド

1964年初演のペーター・ヴァイスによる戯曲。略称《Marat/Sade》。正式名称は『マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者によって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺』。1966年に第20回トニー賞(演劇作品賞)を受賞。1967年にピーター・ブルック演出・監督により映画化された。

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