マリ語(読み)まりご(英語表記)Мари/Mari

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリ語」の意味・わかりやすい解説

マリ語
まりご
Мари/Mari

ウラル語族フィンウゴル語派に属する言語で、マリ語と自称するが、チェレミス語Cheremisともよばれていた。ロシア連邦、ボルガ川中流でカザン市の西方にあるマリ・エル共和国を中心に話されていて、言語人口67万。方言山地北西、牧地、東部に分かれるが、山地と牧地の方言差は大きく、東部方言は牧地方言に近い。マリ語は音声的に母音調和に支配される。port-što「橋に」、pört-štö「家に」。形態的に名詞は7格に変化し、所有語尾をとる。また動詞は人称と数で時制により変化し、文末にたつ。üdr kniga-ž-m ludeš.「少女が・本・彼女の・を・読んでいる」。

小泉 保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「マリ語」の意味・わかりやすい解説

マリ語【マリご】

チェレミス語とも。ボルガ川中流域マリ共和国とその周辺マリ人によって用いられる言語。フィン・ウゴル語派フィン語派に属する。平地方言と山岳方言があり,いずれもロシア字正書法(ロシア文字)による文章語が行われている。
→関連項目ウドムルト語

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マリ語」の意味・わかりやすい解説

マリ語
マリご
Mari language

チェレミス語ともいう。ロシア,ボルガ川流域のマリエル共和国およびその東方のウファ付近で話されている。フィン=ウゴル語派のボルガ=フィン諸語の一つに分類され,モルドウィン語と近い関係にある。話し手約 56万人で,草地方言・山岳方言・東部方言の3方言に分れる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「マリ語」の意味・わかりやすい解説

マリ語 (マリご)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマリ語の言及

【チェレミス語】より

…この半分がマリ・エル共和国に住む。ロシアではマリ語Mariと呼ばれている。西方の山地方言と北方の牧地方言,それにバシコルトスタン共和国での東方言に分かれる。…

※「マリ語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android