日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マルソー(Marcel Marceau)
まるそー
Marcel Marceau
(1923―2007)
フランスのパントマイム俳優。ストラスブールに生まれ、幼時からチャップリンのまねをして育つ。職人になるために工芸学校に入ったが演劇にあこがれ、1944年にシャルル・デュランの弟子となって端役を勤めながら、エチエンヌ・ドクルーのクラスでパントマイムを学ぶ。ジャン・ルイ・バロー演出『バチスト』(1947)のアルルカン役で自信を深め、ピエロを現代化したビップという役柄を創造して黙劇専門の劇団を組織。『暁に死す』(1948)や『外套(がいとう)』(1951)などのマイム劇と、「様式のマイム」と名づけられた『風に向かって歩く』『蝶(ちょう)を追う』『青年、壮年、老年そして死』などの小品によって国際的名声を得た。日本にも数度来演した。
[安堂信也]
『M・マルソー他著、尾崎宏次訳『パントマイム芸術』(1971・未来社)』▽『マルセル・マルソー著、谷川俊太郎訳『かえってきたビップ』(1973・冨山房)』
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