マルチネス(Edgar Martinez)(読み)まるちねす(英語表記)Edgar Martinez

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マルチネス(Edgar Martinez)
まるちねす
Edgar Martinez
(1963― )

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のシアトル・マリナーズで三塁手、指名打者として18年間プレーした。マリナーズを、弱小球団時代から支え続けた「史上最高の指名打者」である。

 1月2日、ニューヨークで生まれる。プエルト・リコのアメリカン短期大学から1982年、ドラフト外でマリナーズに入団、1987年に大リーグへデビューし、89年まではマイナー・リーグとの行き来を繰り返したが、90年にレギュラーへ定着した。その年から3年連続打率3割をマークして、1992年には打率3割4分3厘で初の首位打者となった。翌93年は左足大腿部(だいたいぶ)を痛めて42試合、94年はストの影響もあって89試合の出場にとどまり打率も3割を切ったが、95年に完全復活した。打率3割5分6厘で2回目の首位打者を手にし、ホームラン29本、打点113をマークして、ケン・グリフィージュニア、ランディー・ジョンソンらとともに球団史上初の地区優勝に貢献した。以降、7年連続で打率3割以上とホームラン20本以上を記録し、2000年には自己最多のホームラン37本を放ち、打点145で打点王に輝いた。2002年は古傷を痛めて長期離脱を余儀なくされ、ふたたび打率3割を切った。その後も膝(ひざ)痛などに悩まされ、2004年のシーズン最後に引退した。また、長年の地域貢献を高く評価され、ロベルト・クレメンテ賞を受賞した。

 18年間の通算成績は、出場試合2055、安打2247、打率3割1分2厘、本塁打309、打点1261。獲得したおもなタイトルは、首位打者2回、打点王1回。

[出村義和]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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