マレー川(読み)マレーがわ(英語表記)Murray River

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マレー川」の意味・わかりやすい解説

マレー川
マレーがわ
Murray River

オーストラリア南東部を流れるオーストラリア大陸最大の恒久河川。全長 2530km。グレートディバイディング山脈に源を発し,ビクトリア州ニューサウスウェールズ州の州境をなして西および北西に流れ,サウスオーストラリア州に入る。モーガンで鋭く流路を南に変え,アデレード南方のアレクサンドリナ湖を経てエンカウンター湾に注ぐ。おもな支流にはダーリング川マランビジー川などがあり,マレー=ダーリング水系と総称される。上流の約 320kmは山岳地帯を流れ,サウスオーストラリア州の下流部では高さ約 30mの峡谷をうがって流れる。中流ではその支流とともにニューサウスウェールズ州のリベリナ地方の平野を形成。流域は豊かな農業地帯で,コムギヒツジの混合農業,米作,野菜,果実の栽培が行なわれる。19世紀後半までは交通路として重要な役割を果たしていた。今日では灌漑,水力発電への利用が重要で,オルベリー付近のヒューム貯水池はじめ支流に多くの貯水池がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「マレー川」の意味・わかりやすい解説

マレー[川]
Murray River

オーストラリア大陸南東部の川。スノーウィー山地大分水嶺山脈の一部)に発し,ニュー・サウス・ウェールズ州とビクトリア州との州境を西流してサウス・オーストラリア州南東部のエンカウンター湾に注ぐ。長さ2520km。ダーリング川,マランビジー川などとともにマレー・ダーリング水系(流域面積106万km2)を構成する。中流のリベリナRiverina地方はこの国の代表的な農牧地帯である。スノーウィー山地水力開発事業による貯水池で多くの灌漑地区が発達し,とくにミルデュラ(ビクトリア州北西部)やレンマーク(サウス・オーストラリア州南東部)の周辺は果樹栽培などで知られる。流域が3州にまたがるので,3州間で水の利用協定が結ばれている。1824年にヒュームらが上流部を発見,30年スタートが下流部を調査し,イギリス植民地相G.マレーにちなみ命名した。19世紀後半には河川交通に利用されていた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マレー川」の意味・わかりやすい解説

マレー川
まれーがわ

マリー川

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