マーセル化(読み)マーセルカ

化学辞典 第2版 「マーセル化」の解説

マーセル化
マーセルカ
mercerization

シルケット加工ともいう.綿糸綿布を緊張を与えながら,水酸化ナトリウム濃厚液(20~25%)で25 ℃ 以下で処理すると,絹様の光沢が発生し,染料薬剤吸収が増大する加工をいう.1884年,イギリスのJ. Mercerが原理を発見した.現象としては天然セルロースの微結晶内に水酸化ナトリウムが浸透し,その付加物を形成し,膨潤する.水洗によって水和セルロースに変化し,結晶部分の一部非晶化も進行する.最近では液体アンモニアを用い,アンモニアセルロースを形成させ,ついで水和セルロースに変化させる方式のマーセル化も検討されつつある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマーセル化の言及

【ビスコースレーヨン】より

…さらに次亜塩素酸塩で漂白し,板紙の形にする。(2)アルカリセルロースの生成 90~94%のセルロースを含むシート状パルプは,17.5%の苛性ソーダ水溶液に浸漬され(マーセル化),膨潤状態のアルカリセルロースが得られる。(3)シートの切断。…

※「マーセル化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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