マードック(George Peter Murdock)(読み)まーどっく(英語表記)George Peter Murdock

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マードック(George Peter Murdock)
まーどっく
George Peter Murdock
(1897―1985)

アメリカの人類学者。コネティカット州に生まれ、エール大学を1919年卒業。アメリカの文化人類学が著しい飛躍を遂げた第二次世界大戦後に、学界の指導者として果たした役割は大きい。その広範な理論的活動のなかでも、とりわけ名声を不動にしたものに、主著『社会構造』(1949)において展開された親族理論と核家族普遍説として有名な核家族の理論、および、のちに「人間関係地域ファイル」(Human Relations Area Files:HRAF(フラーフ))へと発展した通文化比較研究のシステムがあげられる。社会学、人類学、行動心理学などを総合した学際的な行動科学を構想していたが、この基本姿勢をもっとも忠実に反映しているのが先にあげた二つの業績であった。主著『社会構造』はHRAFに示される豊富な民族誌データのうえに統計的手法を駆使して展開された野心的な試みで、のちに多くの批判を集めはしたが、今日なお人類学史上類をみない労作と評価されている。

[濱本 満 2019年1月21日]

『内藤莞爾監訳『社会構造――核家族の社会人類学』(1978/新版・2001・新泉社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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