大学事典 「ミネルヴァ大学」の解説
ミネルヴァ大学［アメリカ］
ミネルヴァだいがく
現代のグローバル社会を牽引する人材を養成する革新的な教育の提供をうたって，2014年に開設されたリベラルアーツ・カレッジ。初年度の募集人員300人に対して応募者が98ヵ国から1万1000人以上で，選抜度（2.8％）が全米第1位となり注目を集めた。教育は構造化された学際プログラムで，全授業がレクチャーではなくオンライン・セミナーで行われる。本拠はサンフランシスコであるが，学生は4年間でベルリン，ソウル，ロンドンなどの七つの国際都市で学寮生活をしつつ，現地の企業，NPO，行政機関などとの協働プロジェクトやインターンに従事するよう仕組まれている。上記の学士課程のほかにパートタイムの修士課程を持つ。運営は，アメリカのトップ大学の学長などが未来の大学教育の目指すべき姿を実現するためとして創始したミネルヴァ・プロジェクト（アメリカ）と，5校の一流リベラルアーツ・カレッジおよび2校のグラデュエート・スクールからなる大学コンソーシアムであるクレアモント大学（アメリカ）（Claremont Colleges）の一角，ケック大学院（アメリカ）（Keck Graduate Institute, KGI）によって行われている。ミネルヴァ・プロジェクトは2011年の設立で，12年のBenchmarkからの出資は，当時，ベンチャー企業による史上最大のシード基金提供とされた。プロジェクトCEOのベン・ネルソンはベンチャー系企業の出身で，学長に就任。
著者: 舘 昭
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報