ムーア(Marianne Craig Moore)(読み)むーあ(英語表記)Marianne Craig Moore

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ムーア(Marianne Craig Moore)
むーあ
Marianne Craig Moore
(1887―1972)

アメリカの女流詩人。セントルイスに生まれる。実験的な詩誌『アザーズ』(1915~1919)に属して、W・スティーブンズやW・C・ウィリアムズらと新しい客観主義的手法を開拓した。詩集観察』(1924)によってT・S・エリオットに認められ、ダイアル賞を受け、1925年から1929年まで『ダイアル』誌編集者としてアメリカの前衛文学運動に寄与した。初期の有名な作品「詩」のなかで従来叙情詩を否定して、「事務書類や教科書類」も詩から排除するのはよくない、と散文的伝統を強調した。『全詩集』(1951)でボーリンゲン賞、ピュリッツァー賞を受け、ほかに『ラ・フォンテーヌ寓話(ぐうわ)』(1954)の翻訳がある。

[新倉俊一]

『片桐ユズル訳『観察(抄)/選詩集(抄)』(『世界名詩集大成11 アメリカ』所収・1959・平凡社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android