化学辞典 第2版 「メチレン」の解説
メチレン
メチレン
methylene
【Ⅰ】-CH2-基をいう.エタノールCH3-CH2-OHの-CH2-もその例である.【Ⅱ】CH2:メタンから二つのHが抜けた遊離基で,ケテンCH2CO,シアゾメタンCH2N2の光分解で得られる.CH2:の基底状態は一時,H-C-Hの直線型であるといわれたが,直線型ではないことが実験的に示され,理論計算からの予想と一致した.メチレンは炭化水素と次のように反応する.
最後の挿入反応は,CH2がC-D結合に直接入り込むもので,一度CH2D・ラジカルが生じてからこれがCD3CD2・と再結合して生成するわけではない.メチレンとその置換体(CCl2,CBr2など)をカルベンといい,溶液中でもその反応が研究されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報