メッツ(metabolic equivalents)(読み)めっつ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

メッツ(metabolic equivalents)
めっつ

運動学において身体活動(運動)の強さを表示する単位。metabolic equivalentsの略称で、記号METs。運動による代謝カロリー消費)の度合いを表す値でもある。安静時の身体活動の強度を1メッツとして、さまざまな運動時にその何倍のカロリーを消費しているかを示す。たとえば、ゆっくり歩くのは2メッツ程度、普通の歩行は3メッツ、ジョギングは7メッツとなる。

 運動量(メッツ×運動を行った時間)は、エクササイズ(記号はEx)で表す。また、1エクササイズの身体活動量に相当するエネルギー消費量(キロカロリー)は、1.05×エクササイズ×体重(キログラム)で求められる。

 厚生労働省は「健康づくりのための運動指針2006」において、メタボリック症候群など生活習慣病予防のための新たな指標として、それまでのBMI体格指数)による肥満度とは別にメッツやエクササイズなどの基準値を示した。そこでは、3メッツ以上の運動を1日60分、1週間に23エクササイズ以上行うという目標運動量が提示され、これにより内臓脂肪が減少して高血糖や高血圧の改善などが期待できるとしている。なお、メッツは心筋梗塞(こうそく)のリハビリテーション治療の際の運動負荷を表す単位などにも用いられる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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