メドベージェフ(Roy Aleksandrovich Medvedev)(読み)めどべーじぇふ(英語表記)Рой Александрович Медведев/Roy Aleksandrovich Medvedev

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

メドベージェフ(Roy Aleksandrovich Medvedev)
めどべーじぇふ
Рой Александрович Медведев/Roy Aleksandrovich Medvedev
(1925― )

ロシアの歴史家、政治家。ジョージアグルジア)共和国(現、ジョージア)の首都トビリシで双生児の兄弟ジョレスЖорес/Zhores(2018没)とともに生まれる。父はソ連軍政大学教官を務めた哲学者で、1930年代に粛清の犠牲となり、収容所で死亡。レニングラード大学(現、ペテルブルグ大学)哲学部を卒業し、教育学アカデミー研究員となる。1959年に共産党に入り、スターリン時代の歴史研究に従事、体制内の改革を目ざす。1969年にスターリン擁護の動きに抗議して党から除名された。1971年からソ連国外で次々に著書(『共産主義とは何か』『ソ連における少数意見』ほか)を出版し、スターリン批判を展開。1989年に党籍を回復し、ソ連人民代議員に選出され、1990年には党中央委員となった。1991年8月クーデター事件後のソ連共産党解散令に反対し、同年12月に社会主義勤労者党を創設し、共同議長となった。1993年2月のロシア連邦共産党大会には代議員として参加したが、自身は同党党員とは考えていない。1997年11月6日、十月革命80周年記念の『プラウダ5』紙に「第三のローマ崩壊」と題する長文書評を発表している。ジョレスとの共著に『告発する! 狂人は誰(だれ)か』『フルシチョフ権力の時代』などがある。

中西 治]

『石堂清倫訳『共産主義とは何か』上下(1973、1974・三一書房)』『石堂清倫訳『告発する! 狂人は誰か』(1977・三一書房)』『下斗米伸夫訳『フルシチョフ権力の時代』(1980・御茶の水書房)』『佐藤紘毅訳『ソ連における少数意見』(岩波新書)』

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