メルク修道院(読み)メルクシュウドウイン(英語表記)Benediktinerstift, Melk

デジタル大辞泉 「メルク修道院」の意味・読み・例文・類語

メルク‐しゅうどういん〔‐シウダウヰン〕【メルク修道院】

Stift Melkオーストリア北部ニーダーエスターライヒ州、バッハウ渓谷の町メルクにあるベネディクト派の修道院。11世紀、バーベンベルク家レオポルド1世により創建、18世紀に大きく改築された。同国屈指のバロック様式建造物として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「メルク修道院」の意味・わかりやすい解説

メルク修道院 (メルクしゅうどういん)
Benediktinerstift, Melk

オーストリア,ウィーン西方約50km,ドナウ河畔メルクにあるドイツ・バロックの修道院建築代表作。ベネディクト派修道院長B.ディートマイアの下に建築家プランタウアー建造(1702-36)。ドナウ川上流からの眺めを考慮して,教会堂を中心に修道院施設を左右対称に配置してある。階段室を含む主玄関,大理石広間,図書館などの内部空間のほか,教会堂前庭などに表現力豊かなバロック的造形が見られる。
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世界の観光地名がわかる事典 「メルク修道院」の解説

メルクしゅうどういん【メルク修道院】

オーストリア北部、黒海に注ぐドナウ川下流域のヴァッハウ渓谷西部の町で、ヴァッハウ渓谷観光の拠点となっているメルク(Melk)にある、ドナウ川の分流のほとりの丘の上に建つ、ベネディクト派の修道院。11世紀にベネディクト派の修道院として建設された。その後、マリー・アントワネット(1755~1793年)が、1770年、フランス国王ルイ16世と結婚するためパリに向かう途中、宿泊したことでも知られている。その建物は、白と黄の配色が特徴の同国のバロック建築を代表する建物で、ヴァッハウ渓谷のシンボルにもなっている。◇東西360mの修道院が、高さ65mの尖塔のある教会を取り囲むように配置されていて、「信仰の要塞」という異名がある。金色に輝く華麗な礼拝堂や10万冊以上の蔵書を持つ図書館などを見学することができる。また、宮殿のテラスからは、ドナウの流れやヴァッハウ渓谷の景観、リンツの町並みを眺めることができる。

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世界大百科事典(旧版)内のメルク修道院の言及

【ドイツ美術】より

… フィッシャー・フォン・エルラハはバロック期が生んだ最初の地元出身の建築家の一人で,ボロミーニやグアリーニらのイタリア人の影響を受けながら,ウィーンのザンクト・カール・ボロメウス教会(1716起工)に古代の要素を取り入れた勇壮な形態を創造した。ドナウの河岸にそびえるメルク修道院(1702‐36)はプランタウアーの設計になり,教会堂を中心に修道院の建築群を集めるこの時期の壮大な建築プランの典型をなす。城塞のような外観とは逆に,教会の内部は凹凸の多い曲面によって構成され,軽快な装飾で充満される。…

※「メルク修道院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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