日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
メンデルスゾーン(Moses Mendelssohn)
めんでるすぞーん
Moses Mendelssohn
(1729―1786)
ドイツ啓蒙(けいもう)時代の哲学者で、ライプニッツ・ウォルフ学派の一人。ドイツ東部デッサウの貧しいユダヤ人の子として生まれる。神の存在や霊魂不滅の証明に力を注ぎ、これこそが哲学の究極的課題であるとした。ベルリン・アカデミーが1763年に形而上(けいじじょう)学的真理の判明性に関する論文を募集したところ、彼がカントを抑えて首位を得た。道徳哲学の確立に努め、信仰の自由を主張するなど、啓蒙時代の代表者らしい活動ぶりであったが、ウォルフよりもさらに通俗的と評されている。著名な音楽家メンデルスゾーンは彼の孫。
[武村泰男 2015年4月17日]
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