モエンジョ・ダーロ(読み)もえんじょだーろ

山川 世界史小辞典 改訂新版 「モエンジョ・ダーロ」の解説

モエンジョ・ダーロ
Mohenjo Daro

インダス文明の都市遺跡。パキスタンシンド州,インダス川西岸にある前2300~前1800年頃の都市。遺跡名は「死者の丘」の意。東に市街地,西に一段高い城塞部が分離して配された計画都市。いずれにも焼煉瓦が建築材として利用されている。城塞部には大沐浴場や会堂,穀物倉庫が建設されている。市街地には大通りが数本あり,いくつもの小路がこれに直交している。住宅はいずれも小路側に面して建てられている。いくつかの住宅には室内に井戸が配され,またほとんどの住宅には排水溝が設備され,大通りの本溝につながっている。出土品が豊富で,「神官像」をはじめ,テラコッタ像,凍石(とうせき)製印章,彩文(さいもん)土器などが多数出土している。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のモエンジョ・ダーロの言及

【モヘンジョ・ダロ】より

…パキスタンのシンド州ラールカナの南36kmにあるインダス文明都市期最大の都市遺跡。モエンジョ・ダーロとも呼ばれる。1922年にバネルジーR.D.Banerjiがハラッパーと同じ遺物を発見したことにより注目され,22‐27年にはJ.マーシャルが,27‐31年にはE.H.マッケイが大規模に発掘し,遺跡の性格を明らかにした。…

※「モエンジョ・ダーロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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